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文化フェスティバル2018


 文化会所属団体がパフォーマンスを繰り広げる文化会のお祭り、それが文化フェスティバルです。今年度開催期間は4月12日から27日まで。例年通り、お昼休みに各団体で催しを行いました。私たち文化会邦楽部は4つの公演に出演しました。

 まずは17日、茶道部さんとの合同公演。昨年と同じく、悠久の庭ステージで演奏させていただきました。私たち邦楽部が演奏する後ろで、曲の進行に合わせて茶道部さんがお茶を点ててくださいます。今年の演奏曲は「六段の調」。箏2人、尺八2人で挑みました。「六段の調」はご存知の方も多いかと思いますが、6つある章段を切れ目なく演奏し、その間にはじめのテンポの約2倍にまで速度を上げます。しかしそれを観客に悟らせてはなりません。気が付くと2倍速になっていた…というのがあるべき姿なのです。そのため茶道部さんにとってはタイミングの見極めが非常に困難となります。お互いの間を計るため、本番までに何度も合わせ練習を行いました。

 当日は風も強く、楽譜が飛んでいきそうになる中、しかしとても楽しい公演となりました。庭での公演であったため、足を止めて耳を傾けてくださる方も多くいました。その反応を直に感じることが出来たため、楽しんで演奏することが出来たのだと思います。

 そしてその次の公演が吟詩部さんとの合同公演でした。曲は2曲、「あべの」と「小鍛冶」です。「あべの」は非常に短いながらも、箏の技法がさまざまにちりばめられています。吟詩部さんの詩吟に合わせ、その呼吸を読んで曲として詩吟を盛り上げる。そんな一曲でした。もともとは詩吟があって、そこに箏を伴わせようとして生まれたのでしょうか。邦楽部ではただ楽譜と調弦のみが、「邦楽詩吟」として残るのみです。しかし音と音が実に美しく配列されており、詩吟と一体となった時にいかに美しく響くかということをよく考えて作られたことがわかります。

 「小鍛冶」は一昨年の記念定期演奏会で長唄パートが演奏した曲でもあります。長唄パートではない私のような部員でも、特徴的な「火加減 湯加減 秘密の大事」という一節はそらで唄えるほど。今回は唄を長唄パート員、吟詩部さん一人ずつで分けて担当し、もう一人の長唄パート員で三味線を担当するという形になりました。非常に大きな挑戦であったとは思いますが、三人の息がぴったりとそろっていて、その中に「長唄」と「詩吟」との違いが垣間見えて、とても興味深かったです。

 さて、25日は単独公演。今年は「GRADATION」と「越後獅子」を演奏しました。題して「和のしらべ今昔(いまむかし)」。現代邦楽と古典、その両方で和のしらべを楽しんでいただきたいとの思いから、このような題を付けました。遠方より卒業された先輩方が聴きに来てくださったりと、とてもあたたかでアットホームな会場での演奏となりました。この日の為に部員全員が一丸となって準備と練習とを重ねてきました。そのかいあってか、お客様から「よかったです!」とのお声もいただき、とてもうれしかったです。

 そして最後がギター、マンドリン、交響楽、美術(敬称略)とのコラボレーション企画、「芸術博覧会」。曲目は「花は咲く」。原曲をもとに交響楽団さんがパート譜を作成、全団体に配布してくださいました。本当に感謝の念でいっぱいです。そこからさらにパートリーダーによって「縦譜」に書き直された楽譜が、演奏者の手に渡るのです。この合同公演では、毎年この編曲作業がかなり重要になってきます。

 西洋楽器とのコラボもさることながら、美術作品のコラボレーションはめったにありません。どのような形になるのかと、期待と不安が入り混じりつつではありましたが、しかしやってみると楽器の違い、美術部さんが作り上げてくださる厳かな空気感、それらが気持ちよくマッチし、ここにしかない公演を形作ることに成功していました。

 これら4つの公演をもって、私たち邦楽部の文化フェスティバルは終わりを迎えました。沢山の人の支えがなければ、成しえることが難しいものばかりでした。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。精一杯頑張っていきたいと思いますので、どうかこれからも邦楽部をよろしくお願い致します。

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